Get Adobe Flash player

Q11.私は、相続した田を宅地にして駐車場として貸付けしたいのですが、何か不利になることがありますか?

A.一般的には、固定資産税(都市計画税)に重税感があるため、農業経営では大きな負担になっています。その対応策として、賃貸業を営まれる場合が多いようです。

貸付を行う場合に考えられる事項は次の通りです。

<1>その貸付しようとしている田が「相続税の納税猶予制度の特例」の適用を受けていませんか?。

この「相続税の納税猶予制度の特例」とは、農業基本法の目的とする農業経営近代化に資するため、現行の民法の均分相続による農地の細分化の防止と農業後継者の育成を税制面から助成する観点からもうけられています。つまり、農業を営んでいた被相続人から相続人が一定の農地等を相続して農業を営む場合には、一定の要件の下にその取得した農地等の価額のうち農業投資価格(注1)による価額を超える部分に対応する相続税額は、農業を継続する限り、その納税を猶予されます。その納税猶予税額は、次の場合のいずれかに該当することとなったときに免除されます。

  1. その相続人が死亡した場合
  2. その相続人が特例農地等(この特例の適用を受ける農地等をいいます。)の全部を農業後継者に生前一括贈与した場合
  3. その相続人(特例農地等のうちに都市営農農地等がない相続人の場合)が農業を20年間継続した場合(市街化区域農地等に対応する納税猶予税額の部分に限ります)

 (注1)恒久的に農業の用に供すべき農地等として取引される場合に通常成立すると認められる価格をいいます。

なお、(1)から(3)までのいずれかの場合に該当する前に、この納税猶予の特例の適用を受けた農地等について農業経営の廃止、譲渡、転用等の一定の事由が生じた場合には、その納税猶予税額の全部又は一部の納税猶予が打ち切られ、その税額と利子税を納付しなければならなくなります。ですから、この制度を適用していないのか、もし適用しているならば、(1)から(3)までのいずれかの場合に該当する前でないかを確認する必要があります。

<2>固定資産税の増加

農地(田)であれば、固定資産税については、課税対象となる評価額は大幅に低い額になっていますが、宅地に転用されると、宅地の評価額となりますので、当然評価額が増加しますので固定資産税も増えることとなります。

<3>不動産収入の所得税等の納税負担

個人が不動産を賃貸していると、不動産所得として、国税である所得税、地方税である住民税がかかります。また、一定規模以上の不動産を賃貸し、所得が一定額以上になると事業税がかかってきます。

不動産所得の計算は、次の通りです。

総収入金額-必要経費-青色申告特別控除(青色申告者のみ)=不動産所得の金額

所得のあった翌年2月16日から3月15日までに確定申告し、納税する必要があります。

ただし、あなたの他の収入による所得金額と、この不動産所得の金額との合計が、1年間38万円以下であれば確定申告は不要であり、あなた自身が、どなたかに扶養されているのならその方の扶養家族になることが可能です。

賃貸業を営むことによって、所得税や住民税の発生、固定資産税等の増加などがありますが、残る資金があれば、その資金によって、生命保険の加入や、利回りの良い商品に投資することも可能となります。

ところで、賃貸業を営むことは、ある程度の所得(利益)をあげることが目的です。所在場所、周りの環境、交通の便、借主のニーズ、家賃相場等、十分検討して判断する必要があると考えます。

<4>相続税の財産評価金額への影響

市街化区域内の農地であれば、現況が田である場合と、宅地(更地)である場合とでは、相続が発生した場合の財産評価金額は、埋め立て費用の差額があるだけです。

しかし、仮に宅地の方に、賃貸アパートを建て賃貸しされていたとしたら、その敷地は貸家建付地となり、更地価額に対して、(借地権割合×借家権割合)の分だけ評価減になります。普通住宅地区では借地権割合が50%、借家権割合が30%のケースが多いので、通常15%の評価減となります。また、家屋(アパート)についても借家権割合30%を評価減できます。(但し、アパートに空室がある場合は貸付割合に応じて、敷地及び建物の評価減を行います)